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ぴく男ブログです。
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結構前から絵にしようとして、それでも時間がなくて出来なかったので、お話にしてみましたふふん。(<文字書きの強み)


今回は、いつものひぃ助ではなく、ちびっ子純です。
同じ部屋の健斗さんと、勝手にフレデリックさんもお借りします。←
そして甘党部の皆さん!← どれが誰とかはないですが、雰囲気で「うちのこかも!?」って思っていただけたら^^;

時期過ぎましたが、こんなことが2/14にあったんですよ、ってことで。


妄想0円。(殴)



 僕はいつも、お菓子を作る。同室の健斗さんが甘党部という部活に入るくらい甘いものが好きだから。

 だけじゃない。


「けーんーとさん」
「ん? どした?」
「これ、新作です」
「…………効能は?」
「言ったら現れてくれるんですか?」
「知らないよー。もう、いただきます!」
 多分、はたからしたらとてもおかしな光景だと思う。だって、甘党な健斗さんが僕のお菓子を食べるのに、必ず一度は躊躇うんだもの。仕方ない。僕にとって、健斗さんは被験者だ。健斗さんだけなんだもん、僕の作ったものをなんだかんだ言って食べてくれるの。
「……うん、今日もおいしいよ」
「あーあ。また失敗かぁ」
「……たまにはさー、フツーに作ってよ、純……」
 時々、言われるけど。

 今日はバレンタインデー。男子校だけど、結構チョコの匂いが強くなる。まあ、色々あるんだよね、こういうとこも。
 科学室で作ったチョコを持って、僕は健斗さんを探した。多分、甘党部の集まりがあるとか言ってたから、家庭科室とか中庭とかその辺だろう。ふらふら歩いて家庭科室へ行くと、案の定、人の声がした。
「はい、皆さんに」
「部長! ありがとー!」
「ちょ、トリュフトリュフ!」
「俺からもあるよー、ケーキ! さぁさ、食べて食べてー!」
「あ、ひぃちゃんは風邪が全快してから作る、って言ってましたから、今回はないですよ」
「えーっ?」
 にぎやかだ。明らかに大人数いるのがわかる。
 甘党部は学校内で一番大きな部活。活動場所とかは取り立てて決めてないらしいけど、よく集まってお菓子交換会をしているらしい。
 少しだけ躊躇ったけど、僕は意を決して家庭科室の扉を開けた。
「あのー……」
「? んー? どしたー?」
 背の高い、金髪な派手目のお兄さんに声をかけられる。うちの兄たちとも違うその雰囲気に、僕はつい逃げ腰になってしまった。
「あ、あの……健斗さん、いらっしゃいますか……?」
「ケン、ト?」
「あれ? 純?」
「ん? ああ、ケントってユギのこと?」
「そうッスよー、オレ。どうした?」
 変な話、僕は部屋以外での健斗さんをあまり見たことがない。気後れしてしまうのと、学年も違うのとで。それがなんとなく……なんとなく、疎外感を生む。
「…………」
「純? おーい」

 差し出したのは、小さな箱。中には、手作りのチョコがいつつ入ってる。

「あげる」
「へ?」
「いつも、迷惑かけてるから」
「じ、自覚あるならちょっと控えて……」
「うん。だから、わかんないものは入れてないです」
「……ん。ありがとな」

 素直に物を贈るのなんて、初めてだ。


 恥ずかしくなって、その場から逃げるようにして走った。
 甘党部の人たちが集まっている場所からは、とっても甘いにおいがした。


「いーねー、若いって」
「何言ってんのさ、ぎょんにー」
「……ユギッチ、部長以外からもらってんじゃん」
「ぇ、センパイ、これそんな単純に数に入れれないから!」
「? なんでー?」
 疑問符一杯のセンパイコウハイに囲まれて、オレは箱を開けた。
 ちょっと小ぶりのチョコが五つ。多分、本当なら喜ぶべきだろうし、何も入ってないって言う純の言葉を信じるなら、そのまま食べて問題ないはず。
「……ヨシ!」
「なんでそんな気合入れんだ?」
 気合? 必要なんですよ、純のくれたものには。

 一番上に乗ったチョコをつまんで、口の中に放り投げた。
 …………うん、うまいじゃん。

「あ、ホントになんも入ってないや」
「? ユギくん?」
「なんでもないー! へへ、よかったー」
 安心して、もう一個。






「ぅグッ?」





 ちょ、これ……!

「と、トーガラシーッ!」
「えぇえっ?」

 二個目には、きっちり爆弾「唐辛子ペースト」が仕込まれていた。部長から貰ったチョコを食べて、水も飲んで……でも、辛いのはおさまらない。

「く、クソ……純、めぇっ!」

 咳き込むオレを、甘党部員は笑いながら見ていた。
 わ、笑いごっちゃない!

 でも確かに、純は言った。
『わかんないものは入れてないです』
 それってつまり、判るものは入ってるってことじゃないか……クソッ!



 それでも、オレはきっと、また純の作った菓子を食べるんだろう。
 何か判らないものが入ってるとしても。


 フツーに作れば、うまいんだからさ。
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無題
あああぁぁぁあああぁあああん気付くのおくれたああぁあああぁあああああんんんn!!!!
何これ何この萌え滾る感じぃいいぃいぃぃぃぃ!!!
超ハスハスする…しぬ…!!
純くんかわいぃよぉ純くん…!!!
純君にだけ、ユギの腹黒は封印されるんですねそうなんですね、わかります。ハスハス
なんか、これでユギのキャラ確定したよ…確定確定…!!
ごちでしたー&ありがとうございましたああぁあぁぁあん!!!^p^
Saisy 2009/02/19(Thu)18:00:35 編集
Re:無題
落ち着けよwwwww
色んな方向から取り敢えず落ち着いて頼むから^^^^^^^^^^
なんか、純が予想外にかわいくなって切なかった(笑)健斗さんには一杯ご迷惑おかけしてるからネ☆恩返しのロシアンルーレット!!\(^O^)/
純に腹黒は通じないねうん。この子が黒いし兄たちも真っ黒だからwwwww
またそのうち健斗さん&純の小話書くかもなんでそのときはよぉすくだす(笑)
【2009/02/20 01:01】
Human's Memo
このブログを構成する人々
■お母さん

創造主。← 不遜な物言いだが息子たちは愛している。

■ひぃ

甘党部副部長。鶏頭なのは母譲り。世知辛い脳みその作り。甘いものを作るのは好きだが、体の都合で食べれない。

■じゅん

科学部所属の人畜有害小学生。二人の兄に愛されて育った。性格は小動物だが、とりあえず人に害をなす生き方。←

■ゆきしろ

無口無表情を地でいく通称「姫」ひぃの幼馴染だが甘党ではない。平然とエロい。←
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お母さんひっそり。
あまりにひっそり公開しすぎ…?
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