……。

■ゆきしろ

……ん。



「ちょ、姫！　頼むから喋って！！！」←母
「てか姫！　若干眠そうじゃん！　なんでライナス毛布持ってんの！？」←ひぃ


…………しゃべるの、苦手だ。


「そうなんだよねー。姫、しゃべるの苦手だから国語とかの音読も嫌いなんだよー？」
「頼むよ、苦手とか言ってないでさ……お母さん泣いちゃうよ！？」


…………しゃべると、泣く。


「もう既に涙目ッ！！？」
「姫！　とりあえず自己紹介しよう自己紹介！　お名前はッ！？」


…………黛、雪白。姫。


「……ねぇ、ひぃ」
「うん？」
「この子は、自分が「姫」と呼ばれることに微塵も抵抗を感じていないのか？」
「うん。ゼンッゼン！」
「……ゼンッゼンか」
「ゼンッゼン！　姫歴16年だもんね？」


まだ……15年。


「ひぃ、お母さん、この子とちゃんと意思の疎通が出来るか不安よ……orz」
「だ、大丈夫だよ……！　姫、意外とわかりやすいから！　表情変わるとき、超顔隠すから！」
「それくらいだろ！？」
「あと、人間のスキキライ結構激し目！　でも、今んところよっぽど嫌いな人はいない！」
「ソレ、嫌いな人に分類されたら……」
「能面だよ？　ちなみに、フランダースの犬褒めると無条件でいい人」
「ちょ、そんな基準値低いのか！！？」


…………パトラッシュ（ぐすっ）


「タ、タイトルだけで……？」
「あと、母を訪ねてもきちゃうよ？」
「世界名作劇場好きか……」


……………………ネロ（ぐしぐし）


「…………ねぇ、ひぃちゃん」
「なぁに、母さん」
「アタシ、なんでこの子生んじゃったのかな？」
「それはー……わかりかねるなぁ＾＾;」


ぺそぺそぺそ… ←