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■お母さん
連続投稿どんとこい! 母です。
3人目は、十中八九姫で行きます。←
今日朝起きたら、動かしやすすぎる息子・ひぃの暗黒史が浮かびました。←
あの子は、ホントに正の気しか感じない子なんですが、そんな人間いやしないので。
なんで息子はあだ名はすぐ覚えられて顔も一致してるのに、本名覚わんないのかしら…と。
考えたら、意外に暗い子(殴)だったので、小話を書いてみようと思いました。(←文字書き)
今はどうか判りませんが、少なくともひぃが変なあだ名を付けるようになったきっかけはこんなお話です。
――世界は「オレ」と「オレ以外」でできている。
いつ止まるか分からない心臓は重荷でしかなく、動かし辛い体は邪魔なだけ。変わらない窓の景色にも飽きて、静かに絶望を感じた。
運良く、他人の死と引き換えに得た心臓は、ある程度の身体的な呪縛から、オレを開放してくれた。
――ただ。
「いい? 比沙」
走ってはダメよ激しい運動もしないで濃い味付けや甘い物も食べてはいけません学校へは必ずママが送って行きますからねあなた一人だけ年が上なのだからケンカをしたりしてはダメよ必ずみんなと仲良くするのよ絶対仲良くするのよ?
「うん、ママ」
――言葉の呪縛に雁字絡めになった。
絶対仲良くする方法を、オレは考えた。考えて、考えて、行き着いた結論がある。
まずは笑顔。
それから……。
「ぎょーん兄!」
「あれ? ひぃちゃんどうしたのー?」
「今日新しい菓子できた! あとで試食してー」
「え、マッジーッ? 行く行く! 絶対行くからー!」
「へへ、待ってるー!」
「れんたーん、まっつーん! コレおやつなー」
「おお、ワリ」
「どもっす。ひぃさん」
「うぃー」
あだ名。
初対面で、あだ名を付ける。最初から無害な自分でトモダチになる。そうすれば、無駄な争いも起こらない。
笑顔であだ名を呼べば、みんながオレを笑って見てくれるんだよ。
絶対仲良しに、なれ…………て、るのかなぁ。
名前は、覚えない。
あだ名さえあれば、充分だもんね。
嘘。
絶対仲良しなんて、無理なのに。知ってるのに。
だって、ママがそう言うから……。
世界は、オレとオレ以外とでできている。
本当はいつか、あだ名より本名をすぐ覚えるような、そんな人ができることを夢見てる。
世界は、オレとオレ以外とでできている。
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